保護犬のはなし


最近の夜は子どもたちが寝静まった後



リビングのソファーに座って
ココを撫でながら
ブログを書くのが定番の過ごし方


動物に触れていると優しい気持ちになれる


書き終える頃には
いつのまにか
ココもぐっすり眠っている




抱っこして寝室に連れて行く時も
力を抜いて眠り続ける姿をみて
みて、あかちゃんみたいだと思う


柔らかくてあったかい。


ココの里親になってからもうすぐ6年。


この子は繁殖ブリーダーから引き取った保護犬

繁殖用の犬というのは
ただ売るための仔犬を産むだけのために
育てられてボロボロになるまで
産み続けさせられて終わる命
ほとんどの場合、
人の愛を知らないまま過ごす一生


ネットで里親募集をみつけて
山梨県のブリーダーさんの元に
引き取りに行った時は
狭い冷たい硬いゲージに入れられて
トイレも何もかもそのままの劣悪な環境
歯もひどい歯槽膿漏だった


ゲージの網で擦れて
お尻の毛がごっそり抜けていて
すごい悪臭がしていた


すべてに怯える目で
声を出すこともできない状態


ネグレクトだと思った


ブリーダーさんが
私たちの前に連れてきたときも
怯えてその影に隠れるように震えていた


こんなひどい環境で育てられているのに
この子にとってはそのひとが唯一の親


どんな扱いをされても
まだ信じている姿に胸が痛くなった



そんな子はこの子以外にもいたけれど
一匹しか連れて帰ってあげられない


同じように狭い冷たいゲージに入れられた子たちがこちらをみている

狂ったように吠えたり
悲しそうな声を出したり
何も期待せず見ているだけの子も


自分の無力さを感じた


東京に戻り、
帰り道にペットサロンに連れて行き
シャンプーしてもらうことに


トリマーのお姉さんが
耳や肛門線の詰まりや脱毛、
歯のひどい状態に驚く


連れて帰ってから
試行錯誤での
一緒の生活がスタートした


怯えながらも一生懸命
わたしの元へ来ては
ひざに乗る姿に
この子も歩み寄るために
頑張ってくれてると思った


撫でたらびくっとして震える。
だけど、
そこから動こうとはしない


人のことが怖いけれど
人を信じることを諦めていないんだ

勇気をだしてくれてる
健気だね 



それからは動物病院に連れて行って
歯を治してもらったり、
各種予防接種や
血液検査をして健康状態を調べたり
忙しい日々だった


家に留守番で置いていくと
4時間でも6時間でも吠え続けていると
マンションからクレームがきた


それからは外出時もできるだけ
どこにでも連れて行くことに


当時長男の妊娠中で
仕事もお休みしていたタイミングだったので
たっぷりと時間を取れたのはよかったと思う



犬や猫は愛を食べて生きていく


という言葉を聞いたことがあります


育ててみて
まさにその通りだと思う


かわいがればかわいがるほど
目がクリクリしてきて優しく輝く
毛もみちがえるように艶々になった


声を出せなかったのに
今ではご飯を欲しい時、遊んで欲しい時、
寂しい時、ちゃんと自分の気持ちを
声色を使い分け、
ゆたかに表現できるようになった



引き受けた時は3歳だったから
今、9歳になります。


目も老眼になってきて
だんだん白く霞んできた
 

半年前は脇の下に腫瘍がみつかり手術をした


先月は腰が痛くて病院で
痛み止めの注射を打ってもらった


長く生きていると、
いろいろと衰えていくのは
全ての動植物みんな同じ。


だけど、そのスピードには差がある。


何かあるたびに、
いつか、ココがいなくなることを
想像してしまってはたまらない気持ちになる。


まだまだ心の準備なんて
全然出来ないことを知る。


柔らかな毛の感触や 

まっすぐに見つめる瞳

私の足のあいだで
おなかを見せて甘える仕草

外出中、どこからか私の服を引っ張ってきて
すっぽり包まって待っている姿


それらをいつか失ってしまうと想像すると
怖くなる。



一緒にいる時間が長くなればなるほど
お別れの時間が近づいてしまうということ。



それは寂しい現実。

だけど、いつもどこかでそう思っておくことは
今をめいいっぱい愛せるコツでもある。


ココは朝、起きたらまず
テラスの入り口前に走って行き
ドアをあけて〜😊と、尻尾を振る。





朝日を浴びる。気持ちいいね。




わたしの腕、足、お腹、
隙あらば、アゴをチョコンと乗せる




ドライブ中の特等席。
子どもたちの習い事のお迎えは一緒にいく。




長男と、とてもなかよし。



この前行った海、楽しかったね。




ヨガマットを敷いたら飛んでくる。
寝転がってあそぼあそぼって。


人見知りで
家族にだけ甘えるタイプ。
そこもまた親としてはかわいかったりする。


ペットとの出会いは人それぞれ。

ペットショップで出会った命も
同じひとつの大切な命には変わらない。


だけど、犬や猫を飼うということを
新たに決めた時、
世の中には苦しんでいて
あなたに助けてほしい子たちが
たくさんいるということを
思い出してほしいと思う


海外、特にヨーロッパでは
すでにペットショップという概念はなく、
飼うことを決めたら
直接、保健所などに行き
その中から迎え入れるということが
一般的になっている国も多い。


日本でもいろんな方の訴えや活躍で
だんだん浸透してきたと思うけど

まだまだ生体販売場であるペットショップが
実際に街に多く存在するということは
認識が遅れていると認めざるを得ない


事実や裏を知らなかったら、
その裏の現状が明るみに出ていなかったら
ペットショップで買ってしまうのは仕方ない


悪意もなくガラスケースで小さくしっぽを振る
愛らしい犬や猫を
かわいいと思い、連れて帰り
大切に育てている人も
たくさんいることも知っている


だけど今後、
あたらしく家族を迎え入れることがあれば、
救える命を救う選択肢ももってくれたらと願う


そうすることで悪徳な繁殖ブリーダーは
ペットショップでの仔犬を売れなくなり
結果的に影で不幸になる命が減る


保護犬たちは
痛みを知っている分 繊細で
家族になると優しい子が多いように思う




その優しさに触れて
救ったつもりが
わたしの方が救われている


ココ、家族になってくれてありがとうね。

Comments

Popular posts from this blog

ひさしぶり、お酒さん。

Boys wardrobe.

ママとダイヤモンド

fashion とMothersbag

cosmetic

マダムor奥さま考

″やきもち″について

ショートとボブの間で

Be yourself.

28mmの世界