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Showing posts from March, 2021

春高楼の花の宴

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晴れの週末、 お昼過ぎからお花見の会へ 小田原文化財団 江之浦測光所 アーティストの杉本博司さんが 海を、自然を、天空を展望するために 作られた場所 杉本博司作品の総まとめのような特別な場所 久しぶりに訪れました 集合時間より少しはやめに着いたので 敷地内をゆっくり散歩 広大な庭には敷地いっぱいに咲く菜の花 そして桜 その奥に見えるのは海 菜の花と桜、海を同時に展望できたのは 人生ではじめてかもしれない 雨の音を聴くための 二畳の小さな茶室 雨聴天 なんてロマンティックなのだろうと 感動したのがこの花見台 階段を一番上まで登ると 桜に包まれることができる 途中からは杉本博司さんご本人に 施設のご案内をしていただく 世界的なアーティストだということを 一瞬忘れてしまうほど いつも気さくにフレンドリーに接してくださる 雨を聴く茶室、光の通る道、竹林、みかん畑、 能のガラス舞台に数々の骨董や 化石のコレクション 施設内のすべてが 杉本さんの世界観で作られた壮大なアート こんな風に自分の頭で考える世界を 実際に景色として生み出せたらどれだけ楽しいのだろう この江之浦測候所という場所は 構想の時、まず遺跡をつくりたいと思いつき 滅びたあとの美しさを想像しながら作られたようです その後夕方から月が出るまでは 石舞台でのミニライブ ソプラノオペラ歌手、 増田いずみさんの優しい歌声 トゥーランドットの美しさに心が震える 最後は杉本さんもご登場 荒城の月をデュエットで 写真、能の舞台演出、建築、書家、 さらにはオペラまで... 本当になんでもできる方なんだなぁ...! ここ最近、というかこの一年は 外出する機会がグッと減りましたね そして、そんな状況にも慣れてきたころ。 慣れてしまえば そんな生活に快適さも見出せるようになってきた だけど、こうして外で 本物の美に触れると やはり外で刺激を受けることは 直接的なこころの養分になると思いました 同じ場所にずっといると どうしても世界が狭くなってくる 水は滞留するとすぐ腐る 反対に振動を与え続けると腐らないらしい からだも同じ 運動して血中に酸素をたくさん取り入れて 循環していないと、途端にあちこちが詰まる こころだって同じ 同じ環境で同じことばかりししていると明らかに滞ってくるのを感じる ただ、ひとつの事柄を、 自分の中で深く考え続ける

あのこは貴族

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久しぶりに映画館へ。 「あのこは貴族」 原作は山内マリコさん 何度か読み返した程 個人的にとっても面白いと思った お気に入りの小説。 そんな作品が実写化されると聞いて 決まって感じるのは、嬉しさと複雑さ。 原作が面白ければ面白いほど 実写版に対して 期待しすぎないように気持ちを抑えて観る。 ですが! この映画はとーっても! 素晴らしかった...! 物語の主人公は 東京の上流階級出身のお嬢様と 田舎育ちで努力のみでのし上がってきた地方女子 そんな全く違う生き方をする 2人の女性がそれぞれの立場を乗り越えて 自分を見つめて人生を切り開こうとする姿を描いた作品。 箱入りのお嬢様、華子役は門脇麦さん 地方出身女子、美紀役は水原希子さん それぞれの生きづらさ もともとの家柄があるからこその生きづらさ 上京し、自由を手に入れたと思っていたのに 東京で生きていくことの生きづらさ そんな辛さや葛藤が 双方の人生や環境を対比するような形で 描かれます お互いに対極にあるような環境や育ちといった バックグラウンドだけど それぞれに影響を受けて そこから学ぶべきものがある 多様性を受け入れて、 いい部分は柔軟に自分に取り入れ向上させる。  今の時代こそ、 通じるメッセージかなと思いました 観賞後、一緒に行った友人と お茶をしながら感想を語らっていたのですが お嬢様の華子の設定は さすがにちょっと古い価値観だね。と。 最近の東京のお嬢様は のほほんと箱入り、というよりも そんな箱に入っておらず 一生懸命勉強して、キャリアを築いたり、起業したりするような感じが主流になってきているような気がする 社会構造がどんどん変わってきて 箱にはいったお嬢様のままではいられない  ようになってきている 実際、息子の友達の女の子たちも お嬢様ほど熱心にスポーツや勉強をしている    わたし自身は 完全に地方出身女子の美紀寄り(大阪なのでそこまで田舎ではなかったけれど) なので共感することが多かった 上京して自力で生きてきた期間が長いこともあり 東京のこの感じ、わかる、わかると。 そして東京暮らしも長くなってきた 今は華子側の世界も近からずも遠からず、 といった環境にいるからこそ 分かる部分もたくさんありました。 細かいディティールを掴んでいるなぁと感心。 一緒に映画館に行った友人は 彼女自身、超のつくお嬢さ

トレーニングの時間確保

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パーソナルトレーニングに週2回通っている というと、子育てしながら 一体いつの時間に行ってるの? ということを聞かれることがあります。 今日はそんなお話を。 子育て中は自分の時間が思うように なかなか取れないものですよね ワークアウトの時間を 定期的に確保するのが結構大変 私自身も、 子供達がまだ未収園児で小さい頃は 気が向いたら たまにヨガのクラスに参加するくらいでした 時間がなかったのか?と聞かれると 実際はその頃から プレスクールなども通っていたので 全くなかったわけでもないのですが 本当に毎日の年子育児に疲れていたので.... 子どもと離れている時間は とにかく体力温存とばかりに からだを休めることを第一優先に。 寝不足+育児でヘトヘトになっている上に さらに運動をするなんて考えるだけで 疲れそうで、、😅 本格的な運動をする余裕はなかったです。 それが少しずつ変わったのは今から約2年前。 次男が幼稚園に入園し、しばらく経った頃。 まとまった睡眠を ようやく取れるようになり、 今までバラバラだったのが 同じ場所に2人とも通うことになったので 1日のリズムがスムーズに整いだした頃。 よし、この辺でびしっと体を作っておこうかなと 思い立ち、パーソナルトレーニングジムを探して通い始めたのでした はじめてしばらくは スケジュール確保に バタバタしていましたが 今では1週間のルーティーンに トレーニングを完全に組み込めるように。 1週間に2回のうち、 まず1回目のトレーニングは 平日の子供達が幼稚園に行っている時間。 送り出して30分後にジムにinします そして2回目のトレーニングは週末の休日の朝。 週末の午前中は 夫もジムに出かけるので 交代で子供たちを見ながら バトンタッチ形式でジムへ。 子供たちも休日の朝= パパもママもトレーニングに行くもの。 と、当たり前のように思ってくれているので 出かけるのもスムーズ。 今のところ、こんな感じで 平日の午前中+休日の午前中 という、この時間帯が自分にとっても 家族にとっても負担なく、ベストかなと。 2回のトレーニングは それぞれ 胸、背中、腹筋メインの日 脚、お尻、肩メインの日と分けて。 もうひとつよく聞かれること。 「トレーニングが中々、続かなくて、、 どうやったら続く?」 ということ。 私の場合ですがトレーニングが

28mmの世界

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写真の話が続きます....! ハマるとそればかり。 良かったらお付き合いください^ ^ 前回の記事で 愛用のカメラLeicaQ2に ついているレンズの焦点距離は 28mmのものだという話をしました この28mm、中々難しい画角とされるのですが どうにか自分のモノにしたいと 色々と調べるにつれ、 ひとりのフォトグラファーを発見! Garry Winogrand (ゲイリー ウィノグランド 以下、ヴィノグランド) 主に60年代に活躍されたフォトグラファーで NYのマンハッタンが写真の舞台の中心 ウィノグランドは Leica M4と28mmレンズで ストリートスナップを撮っていたようです 28mmを好んで扱うフォトグラファーって 調べてみても中々いなくて。 ウィノグランドがそうだと知って 28mm画角のヒントが散りばめられているかもしれないと思い、早速写真集を 一冊取り寄せてみました 60年代のアメリカ 戦後の激動と楽観主義の間の揺れのようなものを 揺るぎなく捉えた写真家 美しさとコミカルさ、そして人間関係の苦々しさ そんな偶然のユーモアを示すような写真の数々 (綺麗な女性の写真も多い) ウィノグランドの撮る28mmの画角は 流暢な優雅さがありながら 写真自体のカジュアルさがある感じ 前の記事で 28mmという画角の難しさ=余計なものも写り込んでしまう。と書きましたが ウィノグランドの写真をみていると その余計なもの=単に事実が散らばっているということなんだ。と、あっさり思えてくる。 そうか。  元々、この目で見る世界は断片の寄せ集め。 それが真実だよね。と。 余計なものが 写り込んでしまうと考えるのではなく、 ある被写体にスポットを当てながらも その背景にある複雑さや曖昧さごと写すのも ひとつの写真の美の在り方だな。と この画角に対して新たな視点を見出せました。 私の小さなフォトグラファー ピントがわたしから綺麗に外れてるの、 もしかして...敢えて?だよね? やっぱり君は天才!未来の巨匠! ということにしておきました笑 ココ。 この写真、 ココを中心にトリミングしようと思っていたけどウィノグランドの写真集を見た後では 背景に写る子どもの足、 ノートにペン、携帯にマグカップ。 そんなノイズとも言えるささいな断片が 逆に詩的な可能性のようにも感じる(大げさ?) そんな魅

続 ライカのはなし

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カメラの話、続きます...! 好きな人以外には 少しだけマニアックな内容かもしれませんが....! (いろいろ覚えたてなので的外れのことを言っていたらごめんなさい....) 一眼レフとの1番大きな違いは ファインダーの違い ライカMはレンジファインダー 撮影レンズとは関係なく カメラ本体についている 素通しのガラスを覗いて撮る なのでファインダーから見えている範囲と 実際に写る範囲が少し違うのです もうひとつは MF(マニュアルフォーカス)で 撮るということ 撮る一枚一枚に ピント合わせをするということです 必然的に被写体を決めてそこに向き合う時間が 少し長くなる 普通のAFカメラのように 電源をつけて起動させ 自動で機械がピントを合わせてくれて その他もろもろ最適な設定を決めてくれて ただ、パシャリ。と出来ないのです。。 でも、だからこそ 被写体を意識して全て自分で 設定する行為があるからこそ 気持ちや意識を写真に乗せることができる そこがMFの魅力。とはよく言われること 自分が撮りたいものはここから どのくらい距離が離れているんだろう 光はどのくらい取り込めばいいかな? どの範囲までくっきり写そう? そういうことを一枚一枚考える AFはもちろん素晴らしいし便利。 今、その瞬間を逃さず シャッターを切れる喜びは大きい 一方でMFは被写体とじっくり対峙する その一連の行為そのものが クラシックな本来の写真の作法のように感じ そんなイメージもMFへの憧れを誘う そうなると最初は一番のネックにしていた MFが今度は愛すべき不便に思えてくる そして、、 やはり行き着くところ M型ライカが欲しくなる...! 今の私の愛機 LeicaQ2の焦点距離は28mm 焦点距離というのは 簡単に言うとレンズから 対象とする被写体までの距離のこと 数字が小さくなるほど広角で広く撮れて(雄大な景色を撮るときのような) 大きくなると距離が近くなる 写真全体が狭くなるというか(顔のアップのポートレートのような) この焦点距離 自分にぴったりしっくりくる距離というものが その人それぞれにあると思います Q2は レンズ固定型なので基本的には28mm固定されてあって他の焦点距離では撮れない(クロップ機能で35mmや50mmにできますが) この28mm 広角レンズに分類される焦点距離で 結構広い範囲ま

LeicaQ2

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前回の続き☺︎ 今回は運命のカメラとの出会い編 今から一年半ほど前のとある夜、 ディナーをご一緒した方が 持っているカメラが何ともいえないオーラを放っていて。 Leica...! 以前からその方がSNSに投稿される 写真はどれも素敵だなとおもっていたこともあってもちろんセンスありきのことですが どんなカメラをお使いなのか気になっていました やっぱりライカ、、! うっとり。 ライカに対しては 特別な憧れはあったのだけど 使い方もなんだか難しそうだし プロ、または写真玄人が使うもの。といった イメージが強くあって自分が持つ想像を あまりしてこなくて。 でもずっと気になっていて.... そんな矢先、 目の前に突然現れた一台のライカ お告げ? 「撮ってみる?」 と言っていただいたので 少しお借りしてみることに 手にとってみると ずっしりと感じる重み そのLeicaはM型という フィルム時代からデジタルの今まで続く ライカを代表するモデル このM型ライカ 今時、普通のデジカメには必ずついている AF(オートフォーカス)という概念がなく 全てマニュアルフォーカスでの 手動でのピント合わせなんです ファインダーを除いて 中の小さな四角の指標を覗き 重ね絵を合わせるように ピントを合わせていくという手間があり ようやくシャッターが押せる はじめて手にするライカなので ピント合わせに苦戦しながら なんとか撮れた一枚の写真 被写体はテーブルの上のワイングラス 画面に映し出されたその一枚を目にした時 本当に衝撃で....! 今まで見たことのないような独特の質感 しっとりとしていて繊細で ピントを合わせた対象物以外のボケ感も とろけるような滲み方で... 透明ガラスを一枚通してみたような。 というような 私が写真に求める世界がそこにあった 、、、、絶対欲しいーーっっ!! 普段から私は″欲しい″と思うものが そんなにある方ではなくて 少し″欲しい″くらいの気持ちだと 購入を見送ることが多いのですが ″絶対欲しい″と思ったら別 何がなんでも欲しくなるタイプ😅 ただ、気になったのは ライカM型のMF(マニュアルフォーカス) 写真を撮るたびにピントを手動で合わせて撮る。というのはすっかりAF慣れしている自分にはどうもハードルが高く感じて、、。 そう話してみると 「AF機能つきの「LEICA Q2

わたしのカメラ遍歴

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物心ついたときから 本を読むことの次に 写真を撮ることが好きでした 小学校2年生ごろから ″写ルンです″などのインスタントカメラを 友達と遊ぶ時はよく使っていたし トイカメラなどのおもちゃカメラを使って 飽きずにずっと遊んでいました 最初に自分で買った ちゃんとしたカメラは 小学校4年生の時。 近所の商店街のカメラ屋さんに売っていた CanonのIXY (確かこういうのだった気がする) お年玉を貯めて購入 ものすごく勇気のいる買い物でした 当時はメモリーカードタイプではなく フィルム交換タイプ 一本撮り終えるごとに お店に現像に出していたのですが 現像代を小学生のお小遣いから 捻出するにはなかなか厳しいものがあり、、 なので、 お店で1時間ほどで焼き上がる スピードプリントではなく 4日ほど待つと半額位で現像できるサービスを利用して、今すぐ見たい気持ちを抑えて 辛抱強く待っていた小学生女子笑 それから何台も CanonやFuji. OLYMPUSのPenなど いろいろなデジカメを使い ついには一眼レフも購入 ちょうどCanonのEos6Dがでた頃だったかな こちらはエントリーモデルと呼ばれる 初心者向けの機種ですが 一眼レフの割には比較的小さく、 女性でも持ちやすくて さらにレンズ交換ができることが嬉しくて いろいろと揃え、 パシャパシャといろんなものを撮影していました その後、子どもを出産してからは カメラを持ち歩く余力、余裕がなくなり しばらく重いカメラからは遠ざかることに... かろうじてSonyの小さなコンデジ RX100シリーズを新たに買い足した位 (今も愛用。いいカメラです) でも、基本はすっかりiPhone撮影に 写真好きは変わらないので iPhoneでも撮る枚数はきっと、多い方 (今確かめると、4年前からのメモリーで 85000枚もの写真がiPhone内に) 子どもたちが大きくなるにつれ、 少しずつ持ち歩く荷物も減ってきて 身軽になってきたところ 運命のカメラとの出会いが....! 続きます....☺︎