内緒事

ある夜 

子どもたちとベッドに入り

絵本を数冊読んでいました

いつもだったら 何冊目かの途中で

2人の寝息がどちらともなく すーすーと

聴こえてくる頃

でもその日は 5歳の長男が

なんとなく眠れない様子で

ベッドの上でゴロゴロと目線も絵本になく天井をぼーっと見つめている



私「どうしたの?眠れない?」


息子(以下A)「ん〜、、。」首をかしげる


私「幼稚園で何かあった?」


A「ううん。」


私「そっか〜。」



しばしの沈黙の後 

天井を見つめ 突然 こう切り出してくる



A「 ママ、あのね 今日すごくかわいい子見たんだ。電車で。」



私「え!」いろいろ矢継ぎ早に聞きたい所をひとまず我慢


「えーと そうなんだ。どんな女の子だったの?」


A「大人の女の子。」



私  「どの駅の時だろう? ママも可愛い子見たかったな。」


A 「えっと、内緒にしようと思ったんだよね。」



私「そうなんだ でも話してくれたんだね。また可愛い子見つけたら教えてね。」



A「うん、わかったよ〜もう眠いから寝るー」




言うだけ言うとスースーと寝息を立て始めました





なんてことない話かもしれませんが

これを聞き 私は眠れなくなった



かわいい女の子を見つけたことや

それが大人の女性だったことに

驚いたのではなく

いつも、何か心が動いたその瞬間に

すかさず「見て!」「聞いて!」と

私に教えてくれていた息子が

自分の感情が動いた出来事をその場で言わず

胸の奥に秘めようと思ったことに

大きな成長感じたからです



そしてその慣れない内緒事を

やっぱり 抱えきれず 眠れなくなり

最終的に打ち明けてくれた

その幼さが私を安堵させました



赤ちゃんから幼児期までは

心も体も全てお見通しで

今もてっきりそうだと思っていた


でもこの幼さはいずれ消えてしまうもの

そしてそれはきっとそう遠くない先

わかってはいたけれど

今回の件で

いよいよその時が近づいているんだなと感じ

頼もしく 嬉しく 寂しい





日々 目の前の子どもに集中していると

早くもっとこんなことができれば

もっとこういうことがわかってくれれば

何度言ったらわかるのだろう。。

などと思いがちですが

急かさなくても大人にはなるんだなと

当たり前のことに気づく





そういう目線で

よく見てみるとふとした表情に

いつのまにか もう

彼だけの自分の世界があることを知る

繋ぐ手や頬の感触も日に日に

柔らかさが減り 頼もさが増す

そうして幼児から少年に刻一刻と変わっていく


今回はたまたま話してくれただけで

他にも知らないだけで 内緒事、すでにたくさん持っているのかも




駆け足ではなく どうか

ゆっくり大きくなってね

いつも「早くしなさい〜!」ばかり

言っていて 矛盾だらけだけれど。)



 




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