Believe in yourself.

息子たちに伝えていきたいことはたくさんあるけど



「小さな世界で受けるネガティブを

世の中すべての反応だと思わないこと。

そしていつだって自分で自分を信じてね。」


このメッセージはそのうちの大きなひとつ。



先日、息子が「将来のなりたいもの」を

みんなの前で発表する機会があった。



反応はさまざまだったけど

息子の耳には「無理だよー」といった

否定的なことばを間に受けたよう。



この出来事で思い出した

わたし自身が小学生のころのエピソード。



小学校四年生の頃

同じクラスの2人の女の子と仲良しだった。


休み時間も放課後もいつも3人で、

恋の話をしたり、

特に将来の夢について、よく語ったり

励ましあったり

永遠に続くようなガールズトークを重ねた。



いつしか

「この3人は親友!ずーっと一緒だよね!」

が合言葉。


そのうち学年が上がり、クラス替えのタイミングがきた。


私だけ違うクラスになってしまい、

あとの2人は同じクラス。


最初はうちは

休み時間のたびに

クラスを行き来したり

帰りも門で待ち合わせし、一緒に帰っていた。


そして、1ヶ月、2カ月と経過して

私はクラスにだんだん馴染むにつれ

新しい友達が増えていった。



それでもふたりとは引き続き遊んでいたし、

交換日記も続いていた。



この頃の小学生女子の世界は

グループ意識が強く、


一旦そこに入ってしまうと

目に見えない親友契約のようなものがあった。



新しい友人ができていくと

それに比例して

今までのグループの友達を

裏切っているような後ろめたさを持つようになる。


そうしているうちに

だんだんと関係に不穏な空気が漂いだす。



まず、交換日記の内容に温度差を感じるように。


その後、廊下ですれ違うときのお決まりのハイタッチを空気のようにスルーされる。



ザワ。



あれ?何かの勘違いかな?

でも、振り返って、もう一度ハイタッチしにいく勇気がない。

イヤなドキドキが胸に立ち込める。



それからパッタリと交換日記の

返事がなくなる。



嫌われちゃったかも。どうしよう。

頭の中は毎日それでいっぱい。



そんなモヤモヤする日々を送っていたある日の朝、別の女の子から手紙が回ってくる。


差出人はふたり。


昼休みの後に体育館裏に来て。

というものだった。



イヤな予感がする。

また心臓がざわざわしたけれど、

手紙にはニコちゃんマークが書いてあるし、

かわいいシールも貼ってある。


もしかして

ちょっと怒ってただけで

これからは前みたいに仲良くしようね?ってことかな?と

無理やりポジティブな解釈をして

自分を落ち着かせる。



約束の時間。



体育館裏で

しばらく待っていると、ふたりが来た。



無表情で交換日記を突き出される。



受け取りながら

イヤな予感が確信に変わる。



去っていくふたりの

後ろ姿を見ながら、

交換日記を持つ手が震える。



開くのが怖い。



恐る恐るノートを開く。



目に飛び込んできた

見開き2ページを使った文字とイラスト。



「お前なんかもう友達じゃない。うそつき。うらぎりもの。」



ハンマーで頭を殴られたようなショックで

目の前が真っ暗になった。



でも、、ここまではどこかで予想していたこと。



それから続く言葉、



「モデルになんてなれませーん!ばかみたい。みんな無理と思ってるよ、なれるわけない」




それ以外もいろいろ書かれてあったけど

もう記憶から消えてしまっている。



最後の一文は当時はやっていた

PUFFYの歌の一節


「それで〜は〜さよ〜な〜ら〜」


カラフルなペンで書いたそのフレーズの横に

笑顔の女の子が手を振っているイラストで〆られていた。



読んでいる間中、みるみる顔が熱くなって、

口を押さえて震えて泣いた。



ただただ、悲しくて、恥ずかしくて、悔しかった。



その後、昼休みが終わってからどう過ごしたかは覚えていない。



帰宅してから部屋にこもり

そのページを何度も見返してしまう。



やめておけばいいのに、涙がもう出なくなるまで繰り返し、繰り返し、そのページを見てしまう。



こんなに悲しいことってあるんだな。



「絶交」はその当時

小学生女子の通る道、

みたいなところがあったし

悲しいけど「ついに、私にもきたか」と

どうにか、受け入れた。



だけど夢を否定され、笑われることははじめてだったので猛烈に恥ずかしくなった。



やっぱり、、わたしには無理なのかも。



落ち込み、それからは

心の中で壊れかけた夢を隠し持つようになった。



それから一年が経ち

文化祭でわたしのクラスは劇をすることに。



劇のタイトルは「同窓会」


内容は


《なりたい夢を叶えたみんなが

大人になって同窓会をする》


というもの。



みんなの前で夢を発表するなんて、、怖い。



勇気が持てなくて、

リハーサル中は

ケーキ屋さんとかお花屋さんとか

当時の女の子の人気の職業で参加をした。



自分にウソをついている。


その状態ってなんとも気持ち悪い。

本番が近づくごとに増す

その気持ち悪さに耐えきれなくなって


ウソをつくのをやめよう。と決心。


タンスの中から当時の自分の中で

1番モデルっぽいと思っていたであろう

黒のピッタリしたシャツに

赤のひらっとしたスカート、

ウォーキングの練習用に買ったヒール靴を

当日持参した。



いよいよ劇の本番。



「同窓会」スタート!



体育館のステージに

半円を描く配置でズラッと並んだパイプ椅子。



1人ずつ立ち上がってそれぞれの役を演じる

クラスメイト達。



緊張しすぎて出番以前の

誰一人の内容も入ってこない。



そして、、

ついに自分の番!



深呼吸して起立。



「わたしは今モデルをやっているの。

雑誌の表紙もするし、去年はパリコレデビューもしたのよ」 



顔を真っ赤にしながら

セリフを声に出して、

体育館のステージの真ん中に出ていき

そこで一周回って自分の席に戻る。(はじめてのランウェイ。過去の自分に言いたい。がんばったね)



自分の出番が終わった後、

やっと落ち着いて

クラスメートたちそれぞれの

夢が叶った姿を眺めていた。



お笑い芸人になった!

吉本新喜劇に出ている!

真ん中に出てここで一発ギャグ(大阪ならでは?)とか、


サッカー選手で今はイタリアに住んでる!

シュートする真似!とか。


お菓子屋さんになったの。食べてみて。

焼いてきたクッキーを配る子。



照れながらも精一杯それぞれの将来の自分を演じた。


終わってから、

友人の何人かが来てくれて



「あゆみちゃん!モデルさんになりたいん?

カッコいいー!背高いしなれるよー!」



「わたしの夢、デザイナーやから将来デザインした服着てもらって一緒にパリコレデビューも楽しくない!?」


と声をかけてもらう。



ここ一年、悩んでいた

不安が一瞬で消えた瞬間。 



(その10年後、

本物のランウェイで本物のドレスを着てモデルとしてウォーキングをすることになる。やったね)



この小学校時代の経験は

たとえ誰かに否定されたとしても

それはみんなの意見ではないんだな。ということを教えてくれた。

  


1人2人に無理だと言われたからって

大丈夫なんだ。

応援してくれる人もその分だけいる。



そのことを身をもって経験できたことは

すごくよかったと思う。



交換日記に「モデルなんて無理」と書いてしまったふたりも、

私に伝えたかった事はそこではなくて本当は


「新しい友達ができて、そっちに行っちゃうなんて、私たち寂しいよ」



こういう気持ちだったんじゃないかな。

と、今なら想像できるし、

そう思うことにすると、許せた。



冒頭の息子の話に戻ります。



人前ではじめて夢を勇気を出して発表し、

いろんな反応を受けた息子。



その中でも「変なの」「無理だよー」といったようなネガティブな反応にフォーカスし、

気にしていた。(確かにちょっと変わった夢ではあった)



もしかすると

帰りの車で悔しくて泣いちゃうかな?と思っていると、、?



涙をいっぱいためた目で

無言で車の窓を開けて

私に見えないように外をじっと見ていた。



そして、しばらく経つと思いっきり

外に向かって舌をべーっと出した!



そうきたか。



いいぞいいぞその調子。

息子がちょっと頼もしく思えた瞬間。



これからもいろんなことが彼の身に

きっとたくさん起こる。



子供の世界は狭い。



学校やそこにいる友達が世界の全てだと

思ってしまう。



思い悩み、追い詰められ

自分の命を断ってしまう子どももいる。



でも自分を傷つける言葉や人が

世の中の全てだと絶対に思わないでほしい。



そこから一歩出た世界では

全く別の景色が広がってるけど

そこしか知らなかったらそうは思えない。



大人にできることは知らないことを教えてあげること。世界は広いよ。と。



息子たちもこれから成長するにつれて

いろんな気持ちを経験するだろう



親としては

ほとんどの場合見守ることしかできない。



悲しい時は悲しんでいいし、

傷つくことも仕方ない

ただ、それを恐れて自分の声をなくさないでほしい



いろんな気持ちを味わった分

素敵な男の子になれるよ。



反対に、意図せずとも

自分も人を傷つけてしまうことはある。



それでも

自分から他の人を応援する気持ちでいると

人から応援してもらうことを疑いなく受け取れるんだよ。だから、自分から、そういう人であろうね。






そして何よりも 



Believe in yourself.



最後は自分自身の声を信じる。
そのこと大切にしてほしいと強く思います。



昔を思い出してちょっと感傷的になる。
あの頃「同窓会」した
みんな元気にしてるかな?

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