新しい時計

好きな時代は断然、1920年代と1950年代。
私の中でこの時代を想像してみるだけで心浮き立つ輝かしい時代です。
文学、音楽、芸術、ファッションありとあらゆるものが花開き咲き誇った時代。
アール・デコが好きです。そのアール・デコを生んだ1920年代そのものにも憧れています。
幾何学模様や垂直のシンプルで洗練されたデザイン。コントラストの効いた配色。
どこかユーモアのある可愛い細工。
私が思う洒脱でモダンな要素がたっぷり。 

そして1950年代。
この時代は美の頂点を極めた時代だと思っている。ファッションにインテリア、映画、女優、ありとあらゆる美しいと思うものがこの時代に生まれている。この時代のジバンシィやバレンシアガ、CHANEL、Diorの洋服の写真集を集めて見ているといつもこの上ない幸せに浸れる...!
こんなに女性の「美」を堂々と追求しそれがモードの最先端だった時代ってもうこないのかな。
今のコレクションも時々チェックしますが
面白いしカッコイイし可愛い、綺麗、斬新なものは数多くあってそれはそれで楽しいし、好みの問題なのは前提として普遍的な「美しさ」でいうと1950年代のデザインが圧倒的だと個人的に思っています。

素敵だと思うのは私が目にすることが出来る資料が写真集や映画だということも大きいと思う。
だってこの時代のそんな衣装はプレタポルテではなくオートクチュール。
映画の衣装はその映画のそのシーンのその女優のためだけに一流のデザイナーがデザインした一点もの。そりゃあ素敵なはず。
そう思うと映画一本とってみてもなんて贅沢なものだったんだろうとため息が出ます。

その時代のファッションはいつも心に留めて似た雰囲気のものがあれば迷わず挑戦しようと思っています。オードリヘプバーンの麗しのサブリナのグレンコープ駅に降り立つシーンの白いタイトな帽子とチャコールグレーのスーツのようなコーディネートはいつか絶対に挑戦してみたい。シャープでエレガント。小物でモダンなスパイスを効かせるファッションが本当に素敵です。

そんな中まさに憧れの時代を生きたアイテムでコツコツと集めているもの。
1920年代の時計。
初めての出会いは23歳の頃。
それから3本立て続けに集め、
先月久しぶりにアンティークショップ素敵な出会いがありました



線がちょっとズレていたりするのも
この時代の手描きならではのご愛嬌
100年前の人が間違えたことはそれもまたストーリーに感じてしまう。
一目惚れで購入し、
ヨーロッパ旅行中にお店の方からオーバーホールが完了しましたとご連絡いただきました

帰国後対面するのを楽しみに楽しみに...
お店の方は郵送するのは怖いのでご自宅までお持ちしますとなんと家まで手で届けて下さいました。時計が好きなんだなぁ。100年後もこうして欲しいと買い求めるひとがいてこうして大切に運んでくれるひとがいてなんて幸せな時計なんだろう。
大切に手渡された時計は私の手のひらの中で可愛らしくそして力強くチッチッチッ....と小気味よい規則正しいリズムを刻んでいてまるで心臓の音みたい...!と感激しました。
誕生してから今までの間には時代時代の色んな時を刻んできて、何度も動かなくなったり、何人もの手を渡ったかもしれない。何年も、もしかしたら何十年もヨーロッパの誰かの引き出しの中で眠っていたかもしれないし....そして何よりもこよチッチッチッの音があの20年代に小さくとも響いていた音なんだ...と考え出したら
こうして私の手の中でチッチッチッと命を吹き返したように時を刻む姿が一層素晴らしく美しいことに感じられました。

どんなベルトをしよう。
やっぱり黒かな。ベージュもいいかな、
白も結構いいかも。

目にするたび。20年代の色んなお話聞かせてね想像させてね。よろしくお願いします^^

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